豊胸手術の種類と傷跡を消す処置について

医師7

乳房のサイズを大きくする豊胸手術は美容整形のひとつとして広く知られています。技術の進歩によって日帰り手術も可能になっていますが、その一方で単に乳房を大きくするだけではなく、手術の傷跡を消す審美治療としての側面があることも見逃してはいけません。

綺麗なバストラインを保つために、豊胸手術の方法や傷跡を消すための処置について学びましょう。

胸の大きさに対する悩みを解消させた豊胸手術の利点と問題点

乳房の大きさや形状に悩む女性は少なくありませんが、実際に乳房の状態を改善させる医療行為が普及したのは20世紀になってからのことです。当初は怪我や病気などの理由で欠損した乳房を人工物で補う、義肢と同様の扱いでした。

やがて美容目的で乳房を大きくさせる豊胸手術が行われるようになりましたが、当時の手術はシリコンやパラフィンなど弾力性がある化学物質をむき出しの状態で乳房に注入する方法でした。そのため、がんなどの重大な疾患に罹患するケースが続発し、豊胸手術に対するネガティブなイメージが広まったこともあります。

後になってシリコン製のパックにジェルを封入した乳房インプラントが開発されたことから手術の安全性は向上して、技術の進歩も手伝って豊胸は美容整形の一角を担うほどに普及しました。

現在はより安全性が高い、自身の脂肪を乳房に注入する豊胸手術が主流になっています。シリコンパックのような異物を入れる行為ではないので拒絶反応の心配が無く、脂肪の質感や弾力性は乳房と殆ど変わらないのも利点の一つです。

自然な仕上がりになるので豊胸手術を行ったことが気づかれにくいのも脂肪注入ならではの魅力ですが、その一方で体の他の部分から脂肪を持ってくることになるので、該当する部分に凹凸が生じてしまう欠点もあります。また、注入する脂肪に細胞の死骸などのゴミが混ざっていると後になってから炎症などの不具合が起こる可能性もあるので注意が必要です。

見栄えが悪い傷跡を消すことができる豊胸手術について

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豊胸手術は乳房を大きくするだけではなく、病気などの理由で欠損した乳房を再形成する目的で行われることもあります。女性が乳房を欠損する理由は乳がん治療によるものが多数を占めますが、外科治療は疾患の除去を第一に行うものなので、手術で生じる傷跡に対する配慮は行われないのが普通です。

疾患の進み具合によっては胸元に大きな傷跡が残ってしまうこともあるので、非常に見栄えが悪くなってしまいます。バストラインも大きく崩れてしまうことから、手術後に乳房の形状を整える豊胸を希望する女性は珍しくありません。

豊胸手術は自然な仕上がりにするために肌の状態を改善する治療を併せて行うことがあります。美肌治療のノウハウがある美容外科なら目立つ傷跡を綺麗に消し去ることは決して難しくありません。手術の傷跡を消す美肌治療は美容整形と同様に審美治療の一種と見なされるので保険が適用されず、費用の全額を患者が負担することになります。

その一方で金額はそれぞれの医療機関で自由に決めることができるので、同じ内容でも治療費に差が生じることは珍しいことではありません。傷跡を綺麗に消す技術力がある医療機関でも安価で手術を受けられる可能性があるので、複数の所を比較したうえで選ぶのが良い結果を得る条件になります。

安全な手術を受けるための医療機関選び

乳房を大きくしたり見栄えの悪い傷跡を消すには腕の良い医療機関を選ぶことが重要ですが、軽く試して比較できるような事柄ではないので事前の情報収集が重要になります。一般的に評判が良い所は技術力が高く安全とされていますが、口コミは改ざんが容易なので安易に信じるのは厳禁です。

また、リピーターが多い所も患者から信頼されている優良な医療機関と見なされていますが、同じ治療を何度も繰り返すのは逆に大きな不備が生じている可能性があるので避けるのが無難です。良し悪しを判断するには対象の医療機関に寄せられている口コミの内容が現実的である事を確認するのが重要になります。

無暗に褒めちぎったり医療行為とは関係の無い部分を好意的に評価している所は内容を改ざんしている可能性が高いので注意が必要です。技術力が高く患者からの評判が良い医療機関は手術後のケアも真摯に行っていることが多いのが特徴です。

豊胸手術や傷跡を消す治療は術後の経過が良くないと炎症や型崩れ、傷の再形成といったトラブルが起こる可能性があります。そのような事態を未然に防ぐためには定期的に検査を行い、わずかでも異常が確認されたらすぐに適切な処置を施すことが大切です。

術後のアフターケアに取り組んでいる医療機関ならトラブルに見舞われるリスクを大きく減らせるので、安心して乳房を大きくしたり傷跡を消すには最適な選択肢になります。

手術後の体調管理にも注意することが大切

現在の豊胸手術は安全性を考慮して行われるので、よほどの不具合が起きない限り、術後に体調不良に陥る心配は殆どありません。しかし、安全を最優先しているとはいえ、乳房に異物を入れて人為的に大きくする行為であることは変わらないので、体にはどうしても負担がかかってしまうことになります。

個人の体質によっては倦怠感や発熱、痛みが生じる可能性もあるので事前の検査は入念に受けることが大切です。また、日帰りの手術であっても術後しばらくは安静にすることも体の具合を良好に保つための心得になります。

傷跡を消す治療も同様に、術後は激しい運動を控えたり治療した部分に強い刺激を与えないことが綺麗な肌を維持する条件です。

姿勢の矯正や衣類の選択などの工夫も綺麗なバストラインの維持に繋がる

自分の乳房の大きさや形状に不満がある人は豊胸手術を受ける前に他の問題があるかを確認することが重要になります。姿勢が悪いと乳房が目立たなくなり、大きさや形に不具合があるように見えることがあるためです。猫背などの不具合を矯正し、胸を張った姿勢に改善することで乳房の大きさが再確認されるケースがあるのでまずは自分の姿勢を見直してみることが大切です。

日頃着用している衣類についてもサイズが大きい物を止めて、ボディラインを強調するデザインの物を選ぶと乳房が目立ち、元から理想の大きさや形状を保っていることが判明するかもしれません。豊胸手術は技術の進歩によって手軽に受けることができますが、その一方で体に負担がかかる行為でもあります。

そのため、手術を検討する際は本当に必要な行為であるのかを慎重に考えて判断することを心がけます。